In town ー 街中に佇む家 ー
建築地は駅前のメイン通り沿いで、バス停が目の前にあり、北側には4階建てのビル、南側は市のコミュニティセンターというイヤでも目線が気になる立地です。加えて、横に長い敷地形状から間取り的な制約も多いといった条件でした。反面、街中にいながらにして時間を忘れ、自分たちだけの空間を作りたい・・・かつ、駅前の通りに立っていてもおかしくない外観にしたい、駐車場が高いため敷地内に4台分は欲しいといった、まさに「街での暮らしでありながら自分たちだけの空間」というものがコンセプトとなりました。
空間づくりにおいて、まず着手したのは「目線」です。北側のビルの4階から希望している中庭が覗かれるのでは？という懸念がありましたが、これについては、平屋を希望しているお客様にロフトを提案し、角度検証をおこない解消しました。
広さの感覚は、見える視界の範囲によって変わってきます。中庭を囲む壁の高さを変え、横長の敷地を最大限に活用し、また、天井に高さをもたせることで、広々とした空間に仕上げることができました。駐車場4台分というのも実現できました。
施主様は、初めてお会いした時、『あの土地だと平屋は無理ではないか？』、『土地の広さから駐車場を4台確保するには2階建てにするしかない。』といった心配や疑念、また、外部からの視線についても相当に気にかけておりました。
長くお住まいいただくため、少しでも安心していただければと、ビルの高さを測ったり、ラフプランを描いては敷地に伺い、目線を感じないか何度も確認したことで、ご希望に少しはお応えできたかと思います。街中でありながら、外が気にならない・・・かつ、『お店』と間違われるようなおしゃれな外観です。
